レコードと大衆文化の隆盛は音楽の大量消費時代を到来させました。そうした中で前衛性を重視するクラシック音楽と大衆音楽とは完全に異なるジャンルとして分離します。

クラシック音楽界における「難解でなければ現代音楽にあらず」という風潮は1970年代ぐらいまで続きます。その間、小さいフレーズを何度も繰り返すミニマルミュージックや偶然性の音楽といった発明もあったものの行き詰まりは誰の目にも明らかになり、とうとう「前衛の終焉」が認識されるようになります。

一方、大衆音楽側では、電子楽器、ジャズ、ヒップホップ、ワールドミュージックなど、むしろ、より重要ともいえる変革がさまざまに進展しましたが、こちらの方もそろそろ種切れ状態になってきているのはご承知の通りです。

最近の作曲家や聴衆たちは、スタイルや教条主義的な音楽分類などにこだわらず、自由に心地よく楽しめる音楽を歓迎する方向にあり、アマチュアには取り組みやすい作品も多く出てくるようになりました。

この時代を代表する作曲家、というものを選び出すこと難しいことです。それがまた実に現代らしいといえば現代らしい話なのかもしれません。