フランス革命とナポレオンによる混乱は1814-1815年ウィーン会議で収拾されます。ここで若干抑圧的な君主制を敷く主要国を中心にまとまった欧州は、一時的な安定期に入ります。

この時期、ベートーヴェンシューベルトメンデルスゾーンシューマンなど、ロマンチックな半音階的旋律や和声により音楽表現を拡大していった作曲家たちが、ドイツ・オーストリアを中心に輩出されます。

彼らは弦楽器を主役に据えた作品を多く残してくれました。

他方、19世紀前半はパガニーニ、リスト等、その名前だけで多くの聴衆を集めることができる超絶技巧のスーパースター演奏家が出現した時代でもあります。 音楽作品も、テクニックのある専門の職業音楽家を念頭においたもの、つまり、われわれにとっては演奏難易度の高いものが徐々に増えていきます。