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マーラー
作曲(1902年)
交響曲第5番嬰ハ短調より第4楽章アダージェット
耽美的な音楽としてあまりに有名な曲。作曲当時、後に結婚するアルマとの出会いがあり、愛の歌とも言われる。映画「ベニスに死す」で使われたことで一般にも広く認知されるようになった。
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ラヴェル
作曲(1903年)
弦楽四重奏曲
フォーレに師事していた時代の若書きだが、熟達した筆致で印象派室内楽の傑作のひとつに数えられる。リズム、テンポなど、ドビュッシーの四重奏よりは難しい。
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ドビュッシー
作曲(1904年)
神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ハープ製造会社の依頼により、発明されて間もない半音階ハープのために書かれたもの。古代的な典雅さと、あくまでもロマンチックな2つの顔を与えることにより、半音階ハープの良さを存分に誇示できるように書いているところが、クライアント思いの心憎い作品。
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エルガー
作曲(1905年)
序奏とアレグロ ト長調Op.47
ウェールズの旋律を使った序奏、中間に大規模なフーガをはさんだソナタ形式のアレグロからなる。コンチェルトグロッソから借りたのは形式上の編成だけで、テュッティからときどき離れて動くソロや四重奏の扱いはエルガーのオリジナリティ。
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ラヴェル
作曲(1905年)
序奏とアレグロ
ドビュッシーに「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」を書かせたハープ製造のプレイエル社に対抗し、エラール社がハープのための作品をラヴェルに依頼したもので、ハープの魅力が際立つ明快で優美な作品。
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バルトーク
作曲(1908年)
弦楽四重奏曲第1番Op.7 Sz.40
バルトーク20台半ばの楽曲(1909年作)だが、暗く激しい彼の音楽の特徴が既に明瞭な名作。曲の冒頭を含め、ベートーヴェンの後期の四重奏の影響も窺える。アマチュアでもまだ充分楽しんで弾ける作品。第1楽章と第2楽章がアタッカの3楽章曲。
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シベリウス
作曲(1909年)
弦楽四重奏曲ニ短調Op.56「親愛なる声」
5楽章よりなる。第2楽章は主部が常動曲、第4楽章はメランコリックな3拍子曲、怒涛の終楽章と、この作者特有の音楽が並び、シベリウス好きには嬉しい名作。
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ヴェーベルン
作曲(1909年)
弦楽四重奏のための5つの楽章Op.5
作曲年代は1909年だが既にロマン派や調性の痕跡はほぼ無く、ポンティチェロや鋭いスタッカートの散発的な音が並ぶ。一応、急緩急緩緩(もしくは「動静動静静」とでも言うか)と色分けされる5曲からなる。弦楽合奏版は作者によって後年編まれたもの。
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ヴォーン・ウィリアムズ
作曲(1910年)
タリスの主題による幻想曲
作曲者が英国賛美歌集を編纂していた際に見つけた16世紀イギリス教会音楽の大作曲家タリスの旋律を元にした曲。フリギア調の主題だけでなく、ポリフォニックな曲作り、2群に分けた合奏隊の使用などなど、古い音楽へのオマージュとも言うべき作品に仕上がっている。
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ホルスト
作曲(1913年)
セントポール組曲Op.29-2
英国民謡の取材の成果がよく出た古風なスタイルによる4曲からなる。終曲は吹奏楽のための組曲第2番の終曲を転用したもので、「グリーンスリーブス」が聞こえる。作者が教職を務めていたセントポール女学校の弦楽合奏団のために書かれた。
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ラヴェル
作曲(1914年)
ピアノ三重奏曲イ短調
第一次大戦中、兵役志願~入隊検査不合格といった出来事の間に作曲されたもの。全身全霊を込めた濃度の高い4楽章からなる。3人のソリストのための曲ともいえるかもしれない。第2楽章の「パントゥム」はマレーの詩の形式名。終楽章は5拍子と7拍子。
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コダーイ
作曲(1914年)
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲Op.7
ラヴェルのものと並ぶこのジャンルの最高傑作。急緩急3楽章からなる。楽器を歌わせる場面多く、音色自慢の弾き手には好まれるかも。
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ドビュッシー
作曲(1915年)
フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ
ドビュッシー晩年、第一次大戦の戦火を逃れた疎開先で計画された6曲シリーズの器楽ソナタの第2作目で、この3楽器の組み合わせによる室内楽の決定版とも言える名作。即興的で融通無碍なメロディーのやりとりは息のあったアンサンブルを要求する。
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レーガー
作曲(1915年)
クラリネット五重奏曲イ長調Op.146
作者の室内楽における最高傑作であり、モーツァルト、ブラームスと並ぶこのジャンルの名曲とされている。作者最後の完成作品(1915年作)でもあるが、逆に古典派の単純さに戻るかのような美しさがある。
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バルトーク
作曲(1915年)
ルーマニア民族舞曲Sz.56(ウィルナー編曲)
原曲はピアノ曲。いずれも短く特徴的な6曲よりなる。バルトーク自身による管弦楽版含め多くの編曲があるが、ウィルナーによる弦楽合奏版はvnソロが多い。エキゾチックでシンプルな曲調から広い人気を持つ。
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ブリッジ
作曲(1916年)
2つの古いイギリスの歌 H.119(「横丁のサリー(H.119a)」「熟したさくらんぼ(H.119b)」)
しみじみと心に沁みいる「横丁のサリー」、躍動する弦の上に流れる旋律が乗る「熟したさくらんぼ」の2曲からなる。個別に取り上げられることも多い。
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ディーリアス
作曲(1917年)
2つの水彩画(フェンビー編曲)
失明と麻痺に冒された晩年のディーリアスの作曲を助けたフェンビーによって、ディーリアスの死後に彼の初期の作品から編曲されたもの(1938年)。変転する和声が非常にロマンチックな小品2曲からなる。
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バルトーク
作曲(1917年頃)
弦楽四重奏曲第2番Op.17 Sz.67
第一次大戦の最中の1917年に書かれた、緩急緩の3楽章作品。小さいモチーフがもこもこと膨れ上がる、複雑なリズム、民謡的フレーズのスパイスなど、バルトークの個性がより明快な曲。一応イ短調ということにはなっているが穏やかな響きの少ない「現代音楽」。
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エルガー
作曲(1919年)
ピアノ五重奏曲イ短調Op.84
エルガーの室内楽の中で最も長大な作品。ブラームス+フォーレ風の急緩急3楽章。両端楽章で詠唱風に響かせる和音が美しい。
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ディーリアス
作曲(1919年)
去り行くつばめ(フェンビー編曲)
弦楽四重奏曲第2番の第3楽章を、晩年のディーリアスの作曲も助けたフェンビーが編曲したもの。甘く歌いたい1stvn弾き用。
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ラヴェル
作曲(1922年)
ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
音楽雑誌のドビュッシー追悼号に「ドビュッシーの墓」というタイトルで単独で発表された第1楽章、スケルツォ的な第2楽章、2本が美しい綾をゆっくり織り成す第3楽章、少々野蛮な行進曲の第4楽章からなる。2人のソリストのための音楽。
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ヤナーチェク
作曲(1923年)
弦楽四重奏曲第1番「クロイツェルソナタ」
ベートーヴェンのクロイツェルソナタをモチーフにしたトルストイの文学作品を読み、表現意欲をもよおしてしまったヤナーチェクが書いた「音楽による感想文」とも言うべき作品。バルトークともドヴォルザークとも異なる、暗くエキゾチックに燃焼する曲。
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ウォーロック
作曲(1925年)
カプリオール組曲
16世紀ルネッサンス時代の舞曲集から6つを採り、纏めたものだが、曲は自由に改変されモダンな和声も出てくる。当初ピアノ二重奏曲として出され人気を得た後、弦楽合奏版(1926)とオーケストラ版(1928)が作者自身により編まれた。気軽に楽しめる佳作。
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バルトーク
作曲(1927年)
弦楽四重奏曲第3番Sz.85
切れ目無しに演奏される緩急緩急の4部構成。コルレーニョ、スルタスト、多様なピッツィカートなどの使用で音表現の幅の拡大が指向されている。1人づつのパートも難しいし、合奏はさらに至難。1927年作曲。
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ヤナーチェク
作曲(1928年)
弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」
作者最晩年の作(1928年作)で、40歳近くも年下の不倫相手に書いた「音楽の恋文」。一応4楽章曲だが、冒頭のテーマを使いながらさまざまに曲調を楽章途中で変えていく。クロイツェルソナタよりも多少メカニカルで難しいか。
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バルトーク
作曲(1928年)
弦楽四重奏曲第4番Sz.91
第3番とほぼ同時期(1928年)の作品。中央の緩徐楽章を中心に5つの楽章を対照(第1と第5、第2と第4楽章が旋律を共有)に並べた特異な構成。が、慣れてくると、いわゆる現代音楽の中にも傑作と駄作がちゃんとあることが理解できるようになる曲。
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ストラヴィンスキー
作曲(1928年)
ミューズを率いるアポロ
クーリッジ財団の依頼によるバレエ曲で、ギリシャ神話を題材としたもの。アポロの誕生、3人の女神とのやりとり、成長などを描く。作曲者の新古典主義時代を代表する作品。ジャズの香りも強い。長いvnソロあり。
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ヴォーン・ウィリアムズ
作曲(1929年)
グリーンスリーブスによる幻想曲(ラルフ・グリーヴス編曲)
1929年のオペラ「恋するサー・ジョン」の中でヴォーン・ウィリアムズが使った、民謡「グリーンスリーブス」と「美しきジョーン」による2曲の器楽曲を、後にグリーヴスが組み合わせて単独曲としたもの(編曲1934年)。非常に美しいムードミュージック。
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ベルク
作曲(1929年)
抒情組曲からの3つの楽章
ウィーン楽派を代表する名曲の1つ。家庭のある婦人への愛の告白の曲と言われる。もともと6楽章の弦楽四重奏曲であるが、そこから作者自身が第2、第3、第4楽章を抜き出して3楽章編成としたもので、演奏機会はこちらの編成の方が多い。
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ヴィラ=ロボス
作曲(1930年)
ブラジル風バッハ第1番
バッハの精神でブラジルの素材を料理するという、パリ留学の影響が窺える発想による作品シリーズの第1弾。導入曲(エンボラーダ)、前奏曲(モディーナ)、フーガ(コンバーサ)の3曲からなる。バッハ風の楽曲がところどころで南米的に歌ってしまうといった風情の作品。
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レスピーギ
作曲(1931年)
リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲
作者が勤めたサンタ・チェチーリア音楽院の図書館に保管される古い楽曲の譜面から旋律をとった作品の第3集。4楽章からなり、甘美な音楽として人気が高い。与えられている和声はレスピーギ独自のものだが現代的な味付けは控えられており、親しみやすい。
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バルトーク
作曲(1931年)
44の二重奏曲Sz.98
民謡をベースとした、いずれも短い44曲のデュオ。vn教育用途として作られており、非常に簡単なものから、かなり高度な技巧を要するものまで含まれる。数曲を抜粋して充分なコンサートピースを成立させるだけの芸術性の高さが魅力。メリハリの効いた演奏ができる奏者向け。
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アイアランド
作曲(1932年)
ダウンランド組曲
もともとブラスバンドのコンテストの課題曲として書かれた(1932年)ものだが、弦楽器のための音楽としか思えない美しい作品。擬古典的なスタイルのプレリュード、エレジー、メヌエット、ロンドの4曲からなる。
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ショスタコーヴィチ
作曲(1933年)
ピアノ協奏曲第1番ハ短調Op.35
ほとんどパロディ感もある古典的な佇まいの中で軽快で刺激的な音楽が繰り広げられる作品。
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バルトーク
作曲(1934年)
弦楽四重奏曲第5番Sz.102
全音階的な明快さが目立ち、この作曲家の個性と通俗的な要素が高度に両立している名作。1と5楽章、2と4楽章に共通性が見られるブリッジ構造の5楽章作品。
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ブリテン
作曲(1934年)
シンプルシンフォニーOp.4
自身が9-12歳の頃に作った旋律素材を元にしたもの。基本は短調ながら曲想はどこまでも若々しく、幅広い人気を誇る。
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バルトーク
作曲(1936年)
弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106
現代音楽を庇護したパウル・ザッヒャーと彼の楽団のために書かれた曲の中でも最も有名なものであるとともに、バルトークの代表作。重厚なフーガの第1楽章、現代的でスピード感溢れる第2楽章、バルトーク特有の夜の音楽である第3楽章、さまざまな要素を込めて大団円を迎える第4楽章と、非常に充実した作品。
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ヒンデミット
作曲(1936年)
ヴィオラと弦楽のための葬送音楽
1936年、英国でオーケストラ演奏会を準備中に英国国王ジョージ5世死去の報を聞き、その演奏会用に数時間で書き上げたもの。葬送音楽として有名。
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バーバー
作曲(1936年)
弦楽のためのアダージョOp.11
弦楽四重奏曲第1番の第2楽章アダージョを指揮者トスカニーニの勧めで作者自身が弦楽合奏に編曲したもの。悲痛で感動的な音楽。映画等での使用もあり、名前は知らなくても曲を知っている人は多いはず。
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ルーセル
作曲(1937年)
弦楽三重奏曲Op.58
作曲後に突然の心臓発作で倒れ、結果的に作者最後の完成作品となったもの。作曲当時大いに賞賛された。3楽章曲。アコードの迫力よりも、線的な対位法の処理が目立ち、低弦もたいへん。
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ヴィラ=ロボス
作曲(1938年)
ブラジル風バッハ第5番
アリア(カンティレーナ)、ダンス(マルテロ)の2曲からなる。特にソプラノによるヴォカリーズ(母音のみによる歌唱)が続く1曲目が有名。
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ショスタコーヴィチ
作曲(1938年)
弦楽四重奏曲第1番ハ長調Op.49
伝統的な形式に従った簡明な音楽。有名な第5交響曲の翌年(1938年)に作曲されたもので新古典的傾向が顕著。それゆえ、第5交響曲同様に仮面を被った音楽ととるかどうかが、表現上の悩みになるらしい。
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シベリウス
作曲(1939年)
アンダンテ・フェスティボ
とある木材工場の創立25周年を記念して弦楽四重奏用に1922年に作られたもので、その後1938年にシベリウス自身の指揮でラジオ放送を行う際にこれを弦楽合奏版として今ある形に改作された。弦楽合奏曲では珍しい祝祭的な力強さを追い求めた曲。
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バルトーク
作曲(1939年)
弦楽のためのディヴェルティメントSz.113
バーゼル室内管弦楽団に献呈。バロックの合奏協奏曲風に各パートのソロと合奏が対比される形式、明るく軽快な旋律・和声と、新古典的な佳作。東欧民族音楽とジャズの香りが入り混じった急緩急の3楽章よりなる。
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バルトーク
作曲(1939年)
弦楽四重奏曲第6番Sz.114
ナチの台頭による開戦間近の雰囲気の中、米国亡命を考えながら作られた(1939年作)。全4楽章がすべて「メスト」(悲しげに)の指示で始まり、楽章ごとにどんどん遅いテンポになっていく。ヴィオラが重要なメロディーを多く担う。さりげに難しい。
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ショスタコーヴィチ
作曲(1940年)
ピアノ五重奏曲ト短調Op.57
古今のピアノ五重奏曲ジャンルの中でも1、2の名声を争う曲。通俗性のある交響曲第5番と近い時期に書かれており、同様の近づき易さを受け継いでいる。
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メシアン
作曲(1941年)
世の終わりのための四重奏曲
第二次大戦中にドイツ軍の収容所にいた際、たまたま同時に収容されていた音楽家とあり合わせの楽器の組み合わせを前提として作られた曲。途方も無く長いが、静かで美しい瞬間が随所にある傑作。
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リヒャルト・シュトラウス
作曲(1942年)
歌劇「カプリッチョ」Op.85より前奏曲
実際に歌劇に使われるもの自体が六重奏曲になっている、という珍しい作品。情緒纏綿たる旋律がワーグナー的な響きで重厚に織り込まれていく。
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ショスタコーヴィチ
作曲(1944年)
ピアノ三重奏曲第2番ト短調Op.67
友人の学者・評論家ソレルチンスキーの死を悼んで書かれた作品。チャイコフスキー、ラフマニノフの先例にならって大切な人間の死に際してピアノトリオを書くことで、最大級の弔意を表したものであろう。この時期(1940年代)の諸作の中でも、ひときわ明快で劇的な作風。スケルッツォを持つ4楽章曲。
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リヒャルト・シュトラウス
作曲(1945年)
オーボエ協奏曲ニ長調
モーツァルトと並び2大オーボエ協奏曲と称される傑作。こじんまりとした編成に似合う柔らかく典雅な曲想。
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リヒャルト・シュトラウス
作曲(1945年)
メタモルフォーゼンop.142
第二次大戦後の祖国の荒廃の中、英雄交響曲の第2楽章の葬送行進曲のテーマを使った変奏曲で作者最晩年の作品。
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