アンサンブルをやるのに、気の合った同じ顔ぶれが揃うことはありがたい。余計な決め事が要らないし、遠慮なく意見の言い合いもできれば、息の合う合奏も楽しめる。

が、そういう期間は決して長くは続けられないように世の中はできている。同じメンバーを3年も維持できれば良い方だろう。転勤や結婚に伴う引っ越しで離ればなれになったり、出産・育児で時間がとれなくなったり、急に興味が失せてしまう人が出てきたり。グループメンバーの離散集合はロック・ポップスの世界だけの話ではない。

もしそうしたことが起きたなら、残った人たちはどうか精一杯明るく、出ていく人や休む人を送り出して上げて欲しい。一緒に弾けなくても友だちであり続けることに変わりはないのだから。

一方、違うメンバーとの新しいアンサンブルを組むことにも躊躇をしないでもらいたい。去った人への気兼ねなどもあるのだろう。1人のメンバーの離脱をきっかけに、アンサンブルをまったくやらなくなってしまうアマチュア奏者がよくいるが、もったいないことだ。

お薦めは、従来のアンサンブルの名前や枠組みはそのまま残したまま、気にせず新しいアンサンブルを立ち上げること。これまでのアンサンブルは、また仲間が戻ってくるかもしれない「いつの日」かのために、思い出とともに休ませておいてあげよう。

多くの現代人にとって、3、4年後のライフスタイルを正確に予想することはほとんど不可能だ。その場面その場面でどん欲にたくさん弦アンサンブルを楽しんでいこうじゃありませんか。