モーツァルト
作曲(1777年)
フルート四重奏曲第1番ニ長調K.285
フルート愛好家ドジャンの依頼に応えて作曲されたもの。モーツァルト本人は気乗りのしない仕事だったと書簡で述べているが、フルートが伸びやかなアレグロ、バロック的に静かな短調の歌が美しい中間楽章アダージョ、アタッカで続く小気味よい運動の終楽章ロンドと、どこをとっても魅力的な、このジャンルの最大傑作。
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モーツァルト
作曲(1780年頃)
ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334
全6楽章。第3楽章の優美なメヌエットが有名で、単独で取り上げられることも多いが、第2楽章の変奏曲もよい。ロービニヒ家のために行進曲ニ長調K.445とともに書かれたと考えられている。楽しい曲ではあるが、全曲はとにかく長い。
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モーツァルト
作曲(1782年)
弦楽四重奏曲第14番ト長調K.387「春」
最も広く流布しているペータースのモーツァルト弦楽四重奏曲集第1集の第1曲目にあることもあって、とにかく演奏する機会は多い。ハイドンにささげられたいわゆる「ハイドンセット」6曲の第1曲でもある。第4楽章のフーガ風ソナタの運動がすばらしい。
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モーツァルト
作曲(1784年)
弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458「狩り」
有名曲揃いの「ハイドンセット」の中でも最も知られた大定番曲。1stvnの軽々としたパッセージなどがハイドン的なだけでなく、第4楽章の主題はハイドンの作品からの借用。俗名は冒頭のフレーズが狩のホルンを思わせるところから。
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モーツァルト
作曲(1785年)
ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
知り合いの出版者・作曲家ホフマイスターからの依頼で書かれたものだが、ホフマイスターはこれを難解と評して3曲セットの予定はこの1曲で打ち切られてしまった。急緩急の3楽章曲。第1楽章だけではあるが「モーツァルトのト短調」という雰囲気は横溢しており、人気はある。
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モーツァルト
作曲(1785年)
弦楽四重奏曲第19番ハ長調K.465「不協和音」
俗称は曲頭の和音遊びのような序奏から。「ハイドンセット」の最後を飾る有名曲。ハイドンを招いての試演に6曲セットをそろえるため、最後の1曲として試演日前のわずか数日で完成させたとの逸話が残る。冒頭部を除くと名前とは裏腹に明朗闊達でスケールの大きい作品。
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モーツァルト
作曲(1786年)
フルート四重奏曲第4番イ長調K.298
フルート愛好家の依頼による第1番、第2番の成立経緯とは無縁の作品。1787年頃にウィーンで当時の巷で流行していたメロディーを拾って作ったもの。変奏曲、メヌエット、ゆっくりめのロンド、と、やや平板な3楽章構成だが、弾いて楽しい。
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モーツァルト
作曲(1786年)
弦楽四重奏曲第20番ニ長調K.499「ホフマイスター」
俗称は出版者・作曲家ホフマイスターからの借金のかたとして作曲されたと言われるところから。ハイドンセットで見せた精緻な構成感に代わり、天才の落書きとも言うべき一種の気ままさが全曲を覆うユニークな曲。昔から評論家筋の評価高し。
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モーツァルト
作曲(1790年)
弦楽四重奏曲第23番ヘ長調K.590「プロシャ王第3番」
モーツァルト最後の弦楽四重奏曲。プロシャ王セット3曲の中では最も通俗的だが、うまく聴かせるのは容易ではない。前の2曲と異なりVcの出番はやや少なめで、かつ、非常に難しいのは、金払いの悪い王への嫌がらせか(依頼した楽曲への代金支払いの督促の手紙が存在する)。
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ベートーヴェン
作曲(1800年頃)
弦楽四重奏曲第1番ヘ長調Op.18-1
慣例に則った6曲セットの第1曲。モーツァルトのハイドンセットの第1曲と同様、弾かされる機会は多い。よく練られたバランスの良い作品。第2楽章アダージョは「ロメオとジュリエット」を頭に置いて書いたと作者が言ったとされるもの。
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ベートーヴェン
作曲(1809年)
弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.74「ハープ」
俗称は第1楽章に頻出するピッツィカートから。名前の印象とは裏腹に、ベートーヴェンらしい力強さにも溢れる作品。躍動感ある第1楽章、劇的で壮麗さのある第3楽章、と期待をもたせた上でアタッカでつながる終楽章は、しかしながら、盛り上がりにかける変奏曲で、扱いが難しい。
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