ショスタコーヴィチ
作曲(1944年)
ピアノ三重奏曲第2番ト短調Op.67
友人の学者・評論家ソレルチンスキーの死を悼んで書かれた作品。チャイコフスキー、ラフマニノフの先例にならって大切な人間の死に際してピアノトリオを書くことで、最大級の弔意を表したものであろう。この時期(1940年代)の諸作の中でも、ひときわ明快で劇的な作風。スケルッツォを持つ4楽章曲。
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ショスタコーヴィチ
作曲(1960年)
弦楽四重奏曲第8番ハ短調Op.110
彼の四重奏曲の中で最も有名なもの。旅先のドレスデンで3日で書き上げたとされる。作曲者の名前からとったd-es(S)-c-hのモチーフが明瞭に聞こえ全体を統一する他、以前の自作6曲からの引用が確認されていると言われ、なにやら自伝的内容と見る向きも多い。
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ショスタコーヴィチ
作曲(1974年)
弦楽四重奏曲第15番変ホ短調Op.144
エレジー、セレナーデ、間奏曲、ノクターン、葬送行進曲、エピローグという、いずれもホ短調アダージョ指定の切々と暗い6つの楽章がアタッカで結ばれた構造。同じ音を繰り返して弾くフレーズも多用される。訴えかける力の強い作品。
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芥川也寸志
作曲(1953年)
弦楽のための三楽章「トリプティーク」
和製弦楽合奏曲の傑作。N響常任指揮者であったクルト・ヴェスの米国公演での演奏会に合わせて委嘱されたもので、時間の制約からか冒頭楽章以外は以前の作品からの流用。近代的な和声、原始的で執拗なリズムが大きな魅力を放ち、急緩急のまとまりのよい組曲に仕上がっている。
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